インタラクティブモード
インタラクティブモードは無線マイコン TWELITEで動作するアプリの詳細設定を行うモードです。
インタラクティブモードでTWELITE APPSの各アプリの詳細設定を行うことができます。
複数のグループで通信したい場合や、通信エラーを減らしたい場合等に必要な設定です。
周波数チャネル、アプリケーションID、再送回数は通信を行う上で重要なパラメーターです。主にこれらの意味と設定方法を以下に説明します。
動作モードの切り替え等の各アプリによって異なる項目は以下の「各アプリの固有設定」で説明しています。
パソコンとの接続
TWELITE DIP/PAL/CUE/ARIA/2525Aの場合
TWELITE R-トワイライターに装着し、USBケーブルでTWELITE Rをパソコンに接続して下さい。
MONOSTICKの場合
MONOSTICKをパソコンのUSBポートに接続してください。(TWELITE Rは必要ありません。)
TWELITEの場合
親基板上に7Pインターフェイスを用意し、 TWELITE R-トワイライターに装着し、USBケーブルでTWELITE Rをパソコンに接続して下さい。
インタラクティブモードに入る
TWELITE STAGEで使用する場合
TWELITE STAGE-トワイライトステージはTWELITEを動作させるためのアプリの書き込み、設定、そして、アプリからのデータを表示する機能を統合した評価開発環境です。
- TWELITE STAGEを起動する。
- TWELITE STAGEのメニューから「インタラクティブモード」を選択する。
ターミナルソフトで使用する場合
一般のターミナルソフトを使用することもできます。
- パソコン側でターミナルソフトを起動する。通信条件:115200bps 8N1(8bit パリティ無し ストップビット1 フロー制御なし)
- TWELITEをリセットする。
- パソコンのキーボードの+(プラス記号) をゆっくり(0.2~1秒間隔)で3回、入力する。上手くいかない場合は、繰り返し + を入力する。
インタラクティブモードから脱出するには、+++をもう一度入力してください。
操作方法
インタラクティブモードに入ると以下のような画面が表示されます。
--- CONFIG/TWELITE APP V1-00-2/SID=0x81000038/LID=0x78 --- a: set Application ID (0x67720102) i: set Device ID (--) c: set Channels (18) t: set mode4 sleep dur (1000ms) y: set mode7 sleep dur (10s) f: set mode3 fps (32) --- S: save Configuration R: reset to Defaults
- 行の先頭のアルファベットを入力する。→ メッセージが表示される。
- 値を入力し、Enterキーを入力する。
- "S"(大文字)を入力する。→ 値が保存される。
上記画面例のカッコ内の値が設定値です。”R”(大文字)を入力すると初期値に戻すことができます。
操作例
以下はアプリケーションIDを変更するために”a”を選択し、”12345”を入力した例です。
Input Application ID (HEX:32bit): 12345
周波数チャネルとアプリケーションID

通信をさせるためには同一の周波数チャネルとアプリケーションIDを設定する必要があります。周波数チャネルとアプリケーションIDが異なる場合は通信できません。
初期設定では1グループのみ通信可能です。これは周波数チャネルとアプリケーションIDが同一の初期値に設定されているからです。よって、同一通信範囲に存在する全てと通信します。複数のグループで通信する場合は周波数チャネルまたはアプリケーションIDを異なる値に変えることで可能になります。
周波数チャネル
無線端末同士が通信するためには同一の周波数チャネルを使用する必要があります。異なった周波数チャネルを使用している場合は通信できません。よって、他のシステムと混信させないためには周波数チャネルを変えることが1つの方法です。この機能により周波数チャネル番号(11〜26)の16個の周波数を選択することができます。
アプリケーションID
もう1つの方法は、アプリケーションIDを設定する方法です。アプリケーションIDを設定すれば同一の周波数チャネル上で複数のグループが通信できます。それぞれのグループで異なったアプリケーションIDを設定することで同一のアプリケーションID同士のみを通信の対象にすることができます。この機能により周波数チャネル数(16)以上のグループで通信することができ、実用上十分なグループ数を設定できます。
初期設定
アプリ名 | アプリケーション ID | 周波数チャネル |
---|---|---|
超簡単!標準アプリ (App_Twelite) | 0x67720102 | 18 |
リモコンアプリ (App_IO) | 0x67720107 | 16 |
シリアル通信アプリ (App_Uart) | 0x67720103 | 18 |
無線タグアプリ (App_Tag) | 0x67726305 | 15 |
パルアプリ (App_PAL) | 0x67726305 | 15 |
キューアプリ (App_CUE) | 0x67720102 | 18 |
親機・中継機アプリ (App_Wings) | 0x67720102 | 18 |
周波数チャネルの設定
TWELITEはIEEE802.15.4無線規格に準拠しており、2.4GHz帯を16チャネル(CH11~CH26)に分割して使用します。

使用チャネルはインタラクティブモードで変更が可能です。初期値は18チャネルが設定されています。
初期設定
アプリ名 | 周波数チャネル |
---|---|
超簡単!標準アプリ (App_Twelite) | 18 |
リモコンアプリ (App_IO) | 16 |
シリアル通信アプリ (App_Uart) | 18 |
無線タグアプリ (App_Tag) | 15 |
パルアプリ (App_PAL) | 15 |
キューアプリ (App_CUE) | 18 |
親機・中継機アプリ (App_Wings) | 18 |
設定方法
周波数チャネルを変更する場合はc(小文字)をタイプすると以下のメッセージが表示されます。
Input Channel(s) (e.g. 11,16,21):
通信させたい全てのTWILITE-トワイライトを同じチャネルに設定してください。
設定するチャネル番号(11~26)を一つ選び入力してリターンキーを押してください。
S(大文字)をタイプして設定を保存して再起動してください。
電波干渉回避(チャネルアジリティー)

周波数チャネルの設定で複数のチャネルを選択することで電波干渉回避(チャネルアジリティー)が動作します。
TWELITE DIPは電波干渉回避機能としてチャネルアジリティーを実装しています。チャネルアジリティーとは複数の周波数チャネルを使用して通信することにより、電波環境が良くない場合に通信成功率を上げる仕組みです。同時に最大3チャネルまで登録することができます。
指定したチャネルで1チャネルずつ順番に送信します。受信側も、指定したチャネルを一定間隔で順番に受信します。チャネル切り替え中は受信できませんので、電波環境が良い場合は1チャネルで通信するより受信成功率が下がります。
同一データを複数チャネルで送信するため電波環境が良い場合は不要な重複パケットが送信され混雑しますし、余分に電力を消費するため通常はチャネルアジリティーをオフ(チャネルを複数選択しない)の状態でご使用することをお薦めします。
設定方法
電波干渉回避機能(チャネルアジリティー)を使用する場合はc(小文字)をタイプすると以下のメッセージが表示されます。
Input Channel(s) (e.g. 11,16,21):
設定するチャネル番号(11~26)を最大3個までカンマ区切りで入力してリターンキーを押してください。
例:11、19、26チャネルを選択する場合
Input Channel(s) (e.g. 11,16,21): 11,19,26
S(大文字)をタイプして設定を保存して再起動してください。
アプリケーションIDの設定
無線ネットワークをグループ分けするためのIDです。同じアプリケーションID間でのみ通信が可能です。
異なったアプリケーションIDを設定することで同一の周波数チャネルを複数のグループで使用することが可能です。値は32ビットで設定します。
初期設定
アプリ名 | アプリケーション ID |
---|---|
超簡単!標準アプリ (App_Twelite) | 0x67720102 |
リモコンアプリ (App_IO) | 0x67720107 |
シリアル通信アプリ (App_Uart) | 0x67720103 |
無線タグアプリ (App_Tag) | 0x67726305 |
パルアプリ (App_PAL) | 0x67726305 |
キューアプリ (App_CUE) | 0x67720102 |
アリアアプリ (App_ARIA) | 0x67720102 |
親機・中継機アプリ (App_Wings) | 0x67720102 |
設定方法
アプリケーションIDを変更する場合はa(小文字)をタイプすると以下のメッセージが表示されます。
Input Application ID (HEX:32bit):
通信させたい全てのTWILITEを同じアプリケーションIDに設定してください。
16進数で32ビットの数値を入力してリターンキーを押してください。
S(大文字)をタイプして設定を保存して再起動してください。
デバイスIDの設定
デバイスIDは各端末を識別するために使用します。1つの親機に対して複数のTWELITEを通信させる場合はそれぞれを異なったデバイスID(1~100)に変更してください。
設定方法
デバイスIDを変更する場合はi(小文字)をタイプすると以下のメッセージが表示されます。
Input Device ID (DEC:1-100):
1から100の数値を入力してリターンキーを押してください。
S(大文字)をタイプして設定を保存して再起動してください。
送信出力と再送回数の設定
送信出力
送信出力は初期値では最大になっていますが、出力を弱め電波の有効伝達範囲を狭くすることができます。消費電力は変わりませんので通常は最大出力でお使いください。
再送回数
再送回数(リトライ)を指定することで同一データを複数回送信します。通信環境が悪い場合はリトライを設定するとデータの到達確率が上がります。再送回数(リトライ)を多くしたほうが通信成功確率は上がりますが、通信時間と消費電力が犠牲になりますので最適値を設定してください。
設定方法
送信出力と再送回数を変更する場合はx(小文字)をタイプすると以下のメッセージが表示されます。
Rf Power/Retry YZ Y=Retry(0:default,F:0,1-9:count Z=Power(3:Max,2,1,0:Min) Input:
数字2桁で入力します。
1桁目は再送回数を設定します。2桁目は 0~9を指定し、0は各アプリのデフォルト値、1~9は再送回数に対応します。Fを指定すると再送なしになります。
2桁目は、送信出力を設定します。3が最強で2,1,0と1段階小さくなるたびに -11.5db 出力が低下します。(理論上の伝達距離は 6db 出力が小さくなるたびに 1/2 になりますので、1段階小さくすることで伝達距離は約1/4になります。ただし、伝達可能距離はノイズ・遮蔽物等に影響を受けます。)
例:
32 → 再送3回、出力1段階弱める
93 → 再送9回、出力最大
設定情報の初期化
設定内容によっては、操作が困難になる場合があります。(ボーレートを設定したが、ターミナルソフトが対応しないボーレートだった等)その場合は以下の方法で初期化してください。
- 他のアプリに書き換える。
- インタラクティブモードで 'R' キーを押して、次に 'S' キーを押す。
- 元のアプリに書き戻す。